さとりのこさとこのブログ

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手塚治虫 【ドストエフスキー 罪と罰】 あらすじ・まとめ 無差別殺傷事件 心理考察

今年に入ってから無差別殺傷事件が多発していると感じる日々ですが、最近、過去に実在した連続殺人犯を元に書かれた手塚治虫氏の「ペーター・キュルテンの記録」を読む機会がありました

話の構造が手塚治虫氏が65年前にドストエフスキーの小説をアレンジして書いた「罪と罰」と通じるものがあり、改めて読み直してしてみることにしました

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この物語は革命前夜の帝政ロシアにおいて退廃と貧困に明け暮れたペテルブルグの町で起こった

ある一つの犯罪事件にまつわるエピソードである

旅人はその町で見た

ハダシの子供たちと酔っ払いと売春婦の群れ

みんな何かを期待し、そして絶望して暮らしていたのである


その町をある日、夢遊病者のように歩いて行く少年がいた

その少年がこの物語の主人公なのだ


①少年の犯行

お金に困った少年は質屋の老婆にお金を借りに行くが質に入れる品を安く買いたたかれ、一旦引き上げた

質屋の鍵穴から部屋をのぞくと老婆は大量のお金を持っていた
一生懸命働いても貧乏で恵まれず、勉強したくても貧乏で出来ない人もいる

世の中にはなんの役にも立たないのにお金がうんとある人もいる

質屋の老婆は生きていたって役には立たない

老婆を殺害することに決めた少年は質屋に向かい、老婆にお金に変える品を持ってきたと告げ、部屋の中に入り、持ってきた斧で老婆を殺害した

犯行を誰にも見られず、証拠も隠滅し、質屋を後にした


②犯人逮捕

質屋がある建物で塗装をしていたペンキ屋が少年が犯行後に落とした金時計を拾って持っていた為、現行犯で逮捕された

警視局ではペンキ屋を犯人として尋問が進められるが判事は慎重に調べるべきだと警視局の総督に意見をした

総督は警視局だけでは限界があるので探偵に依頼をすることにした

判事は警視局とは別行動で事件を捜査していた
判事は自分の親戚に学生がおり、彼が溜り場としている酒場へ向かった

その学生は少年と親友だった。そして判事はある雑誌に掲載されている少年が書いたとされる記事について話だした


③雑誌の論文「天才について」

あらゆる人は「普通の人」と「天才」に分けられる

「間抜け」とは普通の人のことだ

「普通の人」とは世間一般の人のことである

ナポレオンやヒットラースターリンアイゼンハワーなどは「天才」なのだ

この人たちは普通の人たちを従えて戦争をしたり政治をしたりしている

つまり天才は何をしてもいいのである

例えば、どんなに人を殺してもそれが「世の中を立て直すため」ならしてもいいのだ

普通の人たちは絶対にこの「天才」たちに従わなければならない

そして「天才」は古い世界から新しい世界を作りだすのである

しかし、普通の人たちは一時は天才たちの新しい仕事をわかってくれないだろう

そして、その人たちを殺してしまうだろう

しかし次の時代にはその人たちは人々から崇められるだろう


④判事と少年

判事は学生のツテで少年に会わせてもらうことになり、少年宅へ向かった

その頃、犯行に及んだ少年は自宅に帰ったが、老婆の財布を持ってきてしまい、隠し場所に悩んでいた

そして財布を外の石の下に隠し、証拠を隠滅した

家に帰ると判事と学生が来ていた

判事は論文を読み「世の中なんでもやっていい天才がいる」ということかと少年に質問をした

少年はあくまで仮説。それが世の中をよくすることになるならと補足した
判事は天才の特徴について質問し、少年が見かけは普通の人と答えると


判事
「それは困りますね。天才でもない普通の人が自分のことを天才だと思い込んで勝手なことをはじめないでしょうか?」

少年
「鋭い質問ですね。天才でもない人間がそれをやると罪になります。罰がきっとくるでしょう」

判事
「天才には罰が来ないのですか?」

少年
「罰なんてものはその天才が作って決めるんです。だから来るはずがありません」

判事
「あなたは自分が天才の一人だとお考えになったことはありますか?」

少年
「君は僕を犯人だと思っているね。調べるなら正式に調べたまえ!」


少年に対して会ったばかりで失礼な態度をする判事を見て学生は慌てて判事を連れて部屋を出た


⑤母からの書留

少年は母から来た書留を開けると大金が入っていた

同封されていた手紙には妹が地主宅で家庭教師をしていたが地主さんが殺害される事件があり、家庭教師を辞めたこと

あるお金持ちから妹を嫁候補として仕事を手伝うように依頼があり少年のいる町に向かうのでお金持ちの人と会ってほしいと書いてあった

 

⑥真犯人

少年がカフェで新聞を読んでいると、新聞に載っていた探偵が同じカフェにいた

そしてペンキ屋が犯人ではなく死体を見つけた第一発見者が犯人だと話いるのを聞いた少年は自ら「自分が犯人です」と探偵に名乗った

探偵はびっくりして、通常犯人はビクビクしているし、取ったお金はパパッと使うものだと言った
少年は自分が犯人だったらどうするのかと聞かれるとお金は空き地の石の下へ隠すと答えた

そして「もし僕が犯人だったら」「僕が犯人と言いたかったんだろう」と詰め寄ると探偵は慌ててカフェを後にした


⑦馬車にひかれた役人

同じカフェで酔っ払っていた役人は売春婦をしている娘が稼いだお金で飲んだくれていた

まともに歩けない様子の役人に少年は肩を貸し、店の外まで出してあげたがその後、役人は馬車に引かれて死亡した

別れたばかりで死亡した役人の身元について警官が訪ねているところへ少年が出くわし、役人の亡骸を自宅へと運ぶことになった

少年は母が送ってきた大金を役人の葬儀に役立てて下さいと役人の家族に渡していると

騒ぎに駆け付けた同じ建物に引っ越してきたばかりの人物が妹を嫁候補にと話を進めているお金持ちであることがわかり、この場で顔を合わせてることになった


⑧殺人事件の犯人確定

少年の母と妹がお金持ちとの縁談の件で上京し、少年の家に着いていた

たまたま学生も少年の家に来ており「例の殺人事件の犯人がペンキ屋で決まった」
「判事が少年に会いたがっている」と伝えに来たのだった

翌日、お金持ちと少年家族が食事会が開かれた

お金持ち
「妹の為に出した大金を売春婦の為に使った。少年から侮辱を受けた」

少年
「あなたこそいい加減だ。売春婦にやったなんて。車に引かれた死んだ役人の家にやった」

そんなやりとりが続く中でお金持ちからは

「妹を貧乏人の中から引き上げてあげようと努力したのにお金も使って大損した!」

お金持ちの本心がわかり、少年家族は早々に引き上げた


⑨役人の通夜

通夜の後日、少年と役人の娘はたまたま外で出会った

少年「売春婦をやめることはできないのか?」

娘「私たちが生きていく為には必要なこと」

少年「どんなに世間から軽蔑されてもこれを続けていくのかい?」

娘「神様が守ってくださっています」

少年「ありもしない神様にね」

そんなやりとりをしていく中で少年は娘の足元にすがった

少年「僕は世の中のあらゆる苦しみにこうやって頭を下げたんだ。君もお父さんも誰も彼も、その苦しみに飛び込んで行っている。僕もどうしたらそのようになれるのか教えてほしい」

一通り話をした少年は判事の元に行った後、再び娘に自分の苦しみを打ち明ける約束をした


⑩判事

少年は判事に会いに行った

判事は少年の部屋を2回ほど捜査したこと、証拠が出なかったこと、判事は犯人がその内向こうから引っかかってくると思い待つことにしたと少年に告げた

学生から『ペンキ屋が犯人に決まった』と伝えたのは判事の戦略でそれが世間に広まると犯人はウズウズしてその訳を聞きに来るはず
判事はペンキ屋が犯人ではないことははじめからわかっていた

犯人は少年だと知っていた。ただ証拠がないから捕まえられない。だから自首するのを待っているのだと告げると少年は罪があったとしても自首はしないと答えた

判事からは「どこまで偉大になろうとしているのか、それこそが卑怯。自首することが偉大じゃないですか。あなたにはすがすがしい空気と落ち着いた暮らしが必要だ」と言われた


⑪民族解放戦線

少年が判事の元を去ると少年の論文を読んだと言う男から声をかけられた

「この腐れ切った世の中を立て直す民族解放戦線の同志として仲間にしたい」と持ち掛けられたが、少年が断ると男に追いかけられ、男は少年の妹が家庭教師をしていた地主を殺した犯人だと名乗ってきた


男「あんなお金持ちは制裁していいのだ」

少年「制裁?誰の許しで?」

男「僕の許しで。正しいことをした」

少年「君は英雄のつもりか。英雄がうじゃうじゃいてたまるか」

男「協力してくれないなら反動者として制裁するのみ」

男は少年を銃で打ち、少年は左肩を損傷した


⑫少年の苦しみ

少年は傷を負いながら役人の娘のところに向かった

娘に傷口を手当てしてもらいながら「自分が老婆を殺した」ことを伝え、話を続けた

少年
「僕はこの腐れ切った世間を目覚めさせるには僕が何かして見せなきゃならない。それであんなシラミみたいな老婆一人を殺してもと思った」

娘からはそんなこと人間の決めることではないと言われた

その時「警官どもは石と角材でぶち殺せ!勝利は我々が戦闘に立ってこそ勝ち取れるんだ!」と町では学生の暴動が起きてた

少年は学生の暴動を目の当たりにした時に

「僕のように自分を英雄だと思っている奴が何人もいるんだ。さっきの男もその一人。
誰も彼も英雄だと思い込んで勝手なことをやっているだ!!」と気が付いた

役人の娘からは町の広場で大声で「犯人は僕だ!!」と言った後に自首するように促された


暴動が起きる町の広場のど真ん中で少年は

「お金がほしいために、金貸し老婆を斧で殺したのは僕だ!!」と叫んだ後、判事の元へ向かった

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ドストエフスキーの「罪と罰」自体は1866年。150年以上前に書かれている長編小説ですが

その当時の出来事を調べて見てみると日本では『薩長同盟の成立』や『ロシア皇帝アレクサンドル2世の暗殺襲撃事件』『プロイセンとオーストラリアの普墺(ふおう)戦争』が起きたりと世界的に不安定な時代だったと見ることもできます


今の時代「なぜこんな犯罪、事件」が多発するのかと「罪と罰」を通して考えてみたときに犯罪者の心の状態がわかりやすく表現されている小説であることがわかります

 

シンプルにまとめると①~④です

①どんな形であれ、社会システムに適合できなかった

②適合できなかった社会システムに対して、自分ができることを考える

③適合している人達への破壊行為。変わることのない社会体制・秩序への報復

④破壊行為をした結果、この社会システムが不完全であること。自分が正しかったことを証明する


人道的に考えた時に「なんでそんな酷いことができるのか」と思いますが

この内容をまとめる中で自分が社会不適合者だと認識している人は普段から人との関係性が作りにくく、さらにその人の個人の中で出来上がった「この考えに至った自分は天才だ」「自分は絶対に正しい」と思った考えに一点集中して行動している為、破壊行為の実行に移すことが多くなりやすいと感じました


観術の創始者Noh Jesu氏が以前「人間の考えはダイヤモンドよりも固い」と話していたことがあります

ダイヤモンドよりも固い「人間の考え」を変化させようとすると相当な時間がかかりますし、社会や人間は変わることができないと思った瞬間、人によっては破壊行為に及ぶこともあります

 

そのダイヤモンドよりも固く固定された人間の考えをリセットし、自由自在に自分が考えを編集デザインできる「ZERO化」する技術(nTech認識技術)がすでに日本で開発されています

 

これからは自分自身の考えに振り回される人生から卒業し、ZERO化技術を応用活用した人間力、人間関係力が必要とされる時代に突入します

 

最後に今までの社会システム構造が限界を迎えている今

新しい技術への理解、開発、社会の発展がこれからの時代に生きる私たち一人ひとりにとってとても重要になると感じています
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罪と罰

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